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恩師・須澤元夫先生

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私の絵の恩師は須澤元夫先生である。
今も長野県松本市でご活躍だ。
この方に出会わなければ今の私はない。
ご縁の深さをしみじみ想う。



出会いは21歳の時、
学生だった私は、
まだ古い町並みが残っていた松本の街を歩いていた。
そして裏通りに偶然小さな画廊を見つけた。
今はもうなくなってしまったが、
信濃ギャラリーという名だった。
私は何も考えずにその中に入った。
そしてそこで個展をされていた須澤先生に出会ったのである。

先生は21歳の若造の私に、
終始対等に丁寧に話して下さった。
それからは個展の度にお邪魔する様になった。
そして絵を描き続ける人生の素晴らしさに聞き入った。

22歳の秋に私も絵を描いてみたいと先生に告げた。
すると先生は「絵を始めるなら独学がいいですよ」と仰った。
当時ご自身の絵画教室を10以上お持ちだったにもかかわらず、
「教室に来なさい」とは言わなかった。
「私も独学ですから」と優しく笑っただけだった。



先生には絵の描き方ではなく、
絵描きの生き方を無言の内に教わって来た。
私は今年当時の先生の年齢になり、
そして先生は今年喜寿を迎えられた。
先日久し振りにお会いすると、
今でも当時と全く変わらない、
対等で丁寧な話し方なのである。
そして終始とても穏やかな笑顔だった。



















by farnorthernforest | 2014-02-01 11:00 | 絵の事について

制作や旅や登山についてなど。


by 山下康一