アリゾナ・ニューメキシコの旅 8
2014年 12月 04日
グランドキャニオン3日目。
今日も夜明けのショーが始まる。
朝日が差してきた。
この色彩の複雑さは言葉では表現できない。
グランドキャニオンの起源は7,000万年前に遡ると言う。
7,000万年の歳月をかけてこの大渓谷を作り上げたと。
しかしここグランドキャニオンだけに7,000万年の月日が流れた訳ではない。
時間は地球上のどこにでも平等に流れその神秘を刻んでいる。
グランドキャニオンの本当の素晴らしさは、
その”平等の神秘”に気付かせてくれる事だと思う。
私達は地球人だ。
故郷の自然を誇りに思おう。
シャトルバスに乗って宿に帰る途中、
朝の散歩をする鹿に出会う。
バスの中から”流し撮り”ならぬ”流され撮り”。
朝のショーを見た後すぐに宿をチェックアウトし、
グランドキャニオンを出て今度は来た道をひたすら南下する。
フラッグスタッフで食事と給油を済まし、
今度は東へ東へと進む。
最初に訪れたのは道の向こうに見えるあの丘。
アリゾナ大隕石孔。
大きさは直径1.2〜1.5km、深さ170m。
約5万年前に直径20mから30mの隕石が時速4万メートルを超える速度で落下し、
推定1億7,500万トンの土を掘り起こしたという。
実はここに来るのは2回目。
最初に来たのは初めての海外旅行、
ヨーロッパとアメリカの美術館を4ヶ月かけて放浪した時に、
通じない英語で苦労して辿り着いた。
再びここに来て感慨無量だった。
次に向かうのは「化石の森」。
日本ではあまり馴染みのない場所だろう。
何もない大地をひたすら東へ走る。
「化石の森」はかつての森の木々が気候変動によって枯れて倒れ、
その後の地殻変動によって化石になったもの。
遠目にはただ丸太が倒れているように見えるが、
近づいてみると確かに木が石化している。
光の角度によってキラキラと輝いていた。
何か現在の地球の景色とは思えない光景だ。
地の底に時間までもが閉じ込められてしまったように感じた。
次に向かったのはペインテッドデザート。
ここもグランドキャニオンのように、
光の加減で様々な色彩を感じさせる風景だった。
放っておけばすぐ緑に包まれてしまう日本の風景を見慣れている目には、
こういう荒野はとても衝撃的だった。
今夜はかつてのR66の街ギャラップに泊まる。
インディアン・アクセサリーで有名な街だ。
何時間走っても同じような半砂漠の景色。
地球の大きさをハンドルに感じた。
by farnorthernforest
| 2014-12-04 19:53
| 旅の事