2019初秋の旅
2019年 09月 08日
長野市鬼無里の個展が終わり、
図録の原稿などを仕上げた九月初旬、
近畿地方の旅に出ました。
訪れたのは鈴鹿、五個荘、近江八幡、長浜です。
まずは三重県の鈴鹿市に向けて出発。
全て手作りという墨を買うためです。
台灣の水墨画団体の動画で紹介されていたのを以前見て、
いつか行きたいと思っていました。
私はいつもタイミングが良いと言うのでしょうか、
三重県の四日市から鈴鹿〜伊勢は大雨警報と避難勧告が発令されていました。
携帯に「直ちに避難」というメールが届く中、
鈴鹿市の製造元に辿り着きました。
お店では親切なスタッフさんに墨の事を色々と教えて戴き、
また実物と色見本と解説を何度も読みながら、
いくつかの墨を買い求めました。
これからこの墨で描くのが楽しみです。
その晩は鈴鹿に宿を取りました。
夜中には豪雨の音と緊急メールが数回。
翌朝はやはり大雨警報と避難勧告が出ている中を、
鈴鹿峠を越えて滋賀県に向かいました。
峠を越える国道1号線は豪雨、
川の氾濫、土砂崩れ、通行止が心配でしたが、
特に問題もなく滋賀県に入り、
五個荘という古い町並み保存地区に向かいました。
五個荘は近江商人発祥の地です。
私は今から15年くらい前に、
この五個荘と隣の近江八幡そして長浜の古い町並みを、
二年ほどかけてスケッチした事があります。
久し振りに訪れてみてとても感慨深く感じました。
最近は昔を思い出す事は少ないのですが、
今回は心ゆくまで思い出を楽しみ、
そしてそれを見つめました。
次に訪れたのは近江八幡です。
スケッチした場所などを訪ね歩きました。
ここでもその当時の事などを色々と思い出しました。
今回は時間がないためスケッチはなしです。
さてその後は今回の目的の二つ目、
東近江の由緒あるお寺を訪ねました。
春に京都宇治の黄檗宗大本山万福寺さんでお世話になった、
元総長さんと二人の修行僧さんにお会いしました。
そして歓談の後は皆様と一緒にやはり東近江にある古いお寺を訪ね、
元花園大学の学長さんとお会いしました。
お話は途切れる事なく夜はお酒を飲みながら遅くまで歓談し、
楽しくも有意義な時間を過ごさせて戴きました。
翌日は琵琶湖の湖岸を北上し長浜の街を訪ねました。
道の駅で車中泊をしていた時に夜中にお巡りさんに起こされ、
子供さんの進路相談を受けたのはこの近くです。
そして三つ目の目的、
あるコンサートに行きました。
私の絵からインスピレーションを得て作って下さったという、
『すべて帰するところ』という曲の初お披露目があったのです。
この作曲家の方は北のアルプ美術館の春の館報で私の絵を見て、
先の群馬県高崎市の個展に遠路を二回も来て下さり、
その印象を曲にして下さいました。
とても幽玄な感じの曲でした。
次は北海道で個展です。
また色々な方々と出会い、
色々な体験ができる事を楽しみにしています。
出発まであと二週間ちょっとです。
by farnorthernforest
| 2019-09-08 20:45
| 旅の事について