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海外個展物語5




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(ドイツのホームセンターで)



このシリーズもこれで5回目になりました。
お読み戴いている方には心より感謝申し上げます。
今回は個展の準備の様子です。

まず絵を筒から出して広げ、
損傷がないかを調べました。
そして次はそれに会うパネルを作ります。
紙はパネルから剥がすと微妙に縮み、
その縮み方も絵によって違いました。
ですので全ての作品を正確に計り、
それに合ったパネルを作らなければなりません。

事前に分かっていた事、
例えばノコギリは日本の引き切りの逆で押し切りなので、
日本からノコギリを持って行きました。
慣れない道具では仕事がはかどりません。
その他の道具も最初は現地で買おうかと思いましたが、
その手間と時間、
そして日本は何でも安いので、
ほとんどの道具を日本から持って行きました。

それでも日本とは色々と勝手が違いました。
まず驚いたのはパネルの大きさ。
日本ではコンパネの規格は910×1,820mmですが、
ドイツでは1,220×2,440mmだったのです。
運搬にはキュレーターさん(美術史家)のご主人(会社経営)の仕事の車、
巨大なベンツのワゴン車を出して戴きました。

次に問題になったのはベニヤの値段です。
日本だと一枚300〜400円程度ですが、
ドイツでは一枚6,000円以上したのです。
これを何枚も買うなどとても出来ません。
何か代わりになる物はないかと探したら、
おがくずを固めた様な板が比較的安かったので、
それを使う事にしました。
枠に使う木の総延長は48mになりました。

作品と道具と買った材料を個展会場に運び、
パネル作りを始めました。







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(個展会場でパネルを作る)



作業を始めて問題が起こりました。
パネルが固くてカッターで切れないのです。

日本のベニヤはカッターで切れますので、
作業も早くて簡単なのですが、
樹脂で固めたパネルはとにかく硬い。
そこでノコギリを使ってみたのですが、
今度はノコギリではきれいに切れないのです。

ではどうしたかと言うと、
ひたすら時間を掛けてカッターで切りました。
全てのパネルを切るのに丸二日掛かりました。
手はマメだらけです。
予備に持って来たカッターの刃も相当使いました。

次に問題になったのは、
パネルの枠の木材も樹脂が注入されているらしく、
フックを付けるためのネジが入らないのです。
結局これも時間を掛けて最初にキリで穴をあけ、
それからフックを付けたのでした。

絵をパネルに張り直すのも初めての経験です。
最初水張りを試しましたが、
白紙ではなく既に絵が描かれていますので、
濡らすのにも限度があり上手く行きません。
そこで不安はありましたが、
そのまま専用テープで張り止める事にしました。

こうして準備に一週間を費やし、
個展オープンに漕ぎ着けました。

リアルタイム投稿はこちらです。







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(個展会場の入り口。展示作業を終えオープンを待つ)



















by farnorthernforest | 2021-05-14 10:36 | 絵の事について

制作や旅や登山についてなど。


by 山下康一