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新しい森の概念




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私の大学の専攻は美術ではなく生態学でした。
それは子供の頃から自然が好きだったからです。
私が学んだその頃の森の生態系の構造と概念は、
高い木、低い木、下草、土の中には菌類やバクテリア。
それらが「生存競争」と「相互依存」をしながら、
それぞれが最も相応しい位置に納まっている、
そんなイメージでした。
今回ご紹介したいのは、
そんな今までの生態学の概念をひっくり返す研究成果です。

森は単なる木々の集まりではなく、
ハブ(中心)とネットワークを持つ複雑なシステムなのだそうです。
森の木々は根と菌糸を使って物質を交換し合い、
会話をしているそうです。
例えば小さい木や日陰の木には栄養を送って育てている。
同種間だけではなく異種間でもです。
これは放射性同位体の追跡で明らかになったそうです。

そのネットワークのハブはその森の巨木、
つまりマザー・ツリーです。
そのマザー・ツリーは自分の知恵を若い木に渡しているそうです。
そして人間がマザー・ツリーを切り倒すと、
その森の知恵が突然失われその森は衰退するそうです。
昔日本で森の巨木を切り倒す時に一定期間「御神木」として祀ったのは、
森にとって「森の知恵」を引き継ぐための重要な役割をしていたかも知れません。

以前生態学から発展して、
地球は一つの生命体という概念が流行りました。
逆に言うとそれまでは、
地球という星の上に様々な生命がいて、
競争と淘汰を経て「適者生存」で生きている、
その程度の認識しか出来なかったからですが、
それは自我が一つ一つの生命を個別にしか認識出来ないからです。

私の仕事(絵)はやはりここに関わる事、
思考や感情とそこから作られる自我(自己意識)の扱いについてだと、
こに動画を観て改めて思いました。
話の続きはこちらをご覧下さい。
日本語字幕設定が出来ます。




















by farnorthernforest | 2023-03-11 14:47 | 日々の事について

現代風景画家 山下康一のブログ


by 山下康一