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京都宇治の宝蔵院個展のご案内




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京都宇治の宝蔵院さんでの個展について、
内容が決まりましたのでご案内致します。



日時:2023年11月10日(金)〜12日(日)の3日間
時間:11:00〜16:00 入場無料

徒歩でお越しの場合、
JR奈良線「黄檗駅」より徒歩4分、
京阪宇治線「黄檗駅」より徒歩2分です。

お車でお越しの場合、
滋賀方面からの方は京滋バイパス「宇治東IC」から5分、
大阪方面からの方は京滋バイパス「宇治西IC」から10分です。

駐車場はございませんので、
近くの有料駐車場をご利用下さい。
近い順に、萬福寺の総門の北隣り、JR黄檗駅向かい、
萬福寺の南側駐車場があります。
車椅子等をご使用の方はご相談下さい。

アクセスについての詳細はこちらをご覧下さい。
その他、ご不明な点はこちらまでお問い合わせ下さい。
宝蔵院、電話0774(31)8026



今回の展示内容は、
墨絵、水彩画、安曇野のスケッチ、
合計40点ほど展示予定です。
中心になる作品は大きさ23×16cmと33×24cm、
葉書約2枚分と4枚分の大きさのものが30点の予定です。

また今回の個展は三日間と短期なため、
作品は展示即売形式とさせて戴きます。
その他、画集3種類、文集4種類、絵葉書48種類を販売致します。

お支払いは現金か後日お振込戴く形のみで、
クレジットカードやQRコード決済等はご利用戴けませんのでご注意下さい。
作品は現金でお支払いを戴いた場合はそのままお持ち帰り戴けます。
今回作品をご購入戴いた方には、
私の画集と住職さん直筆の短冊(禅語)を差し上げます。

期間中の毎日10:30〜11:00に、
住職さんの法要と法話があります。
参加無料、予約不要です。

また期間中の毎日11:00〜11:30には、
お坊さんの解説付きで収蔵庫拝観が出来ます。
6万枚の版木は圧巻ですので是非ご覧下さい。
参加無料(通常は非公開)、予約不要です。
今回のみの拝観記念特別朱印(有料)もご用意致します。

10日(金)と11日(土)は寺そば(ビーガン・ラーメン)をご提供致します。
時間11:00〜14:00、一杯600円、30食限定、売切御免、
電話予約優先、電話0774(31)8026
宝蔵院さんのホームページもご覧下さい。



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会場で水彩画と墨絵のワークショップを行います。
参加無料、予約不要で、道具は全てこちらでご用意致します。
ワークショップは以前は年に数回参加費500円で行っておりましたが、
現在は多忙のため行なっておりません。
ご興味のお有りの方は是非こちらでご参加戴ければと思います。

またご自身の作品をお持ち戴ければ個人指導も致します。
画像でも結構ですが、
実物の方がより的確なアドバイスが出来ますので、
なるべく実物をお持ち下さい。



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宝蔵院さんとのご縁は2019年、
黄檗宗大本山萬福寺さんで開かれたお坊さんを対象とした講習会で、
芸術と科学と宗教についてお話しさせて戴いた事から始まりました。

そして鉄眼禅師の顕彰と版木の保存のために立ち上げた、
「鉄眼プロジェクト」に参加させて戴き、
二度ワークショップを行わせて戴きました。

その後富士山の墨絵を奉納させて戴き、
幸運にもその奉納法要の様子は、
NHKワールド・ジャパンで世界に放送されました。



鉄眼禅師(1630-1682)は、
それまでは筆写で複製するしかなく、
一部の人しか見る事の出来なかった経典を、
版木を作って印刷し世に広めました。

以前このブログに『老子』の「大器晩成」が、
「大器免成」の写し間違いだったと書きました。
今までの底本よりも古い写本が発見され、
写し間違いが明らかになったのです。

以前から「大器晩成」は何か儒教的で、
『老子』らしくないと思っていましたが、
「大器免成」なら大いに納得出来ると思いました。

こういう事を起こさないためにも、
鉄眼禅師が行われた事は大変重要でした。
人的資金的に大変な困難を伴った大事業を、
その一生をかけて成し遂げられました。

またこの事業は平安の世になり職を失った武士達の雇用創出になり、
欧州の国々が東南アジアを植民地化するための戦争に、
傭兵として出稼ぎに行くのを免れる事にも寄与しました。
またこの事業を遂行する中で近畿地方に大災害と飢饉がありましたが、
鉄眼禅師はその救済にも尽くしました。

仏教経典は三蔵法師(602-664)がインドから経典を持ち帰って翻訳し、
その写本が日本に渡り鉄眼禅師によって印刷されて日本中に広まりました。
その一切経は6,956巻で版木の総数は約6万枚。
例えば信州善光寺の国の重要文化財に指定されている経蔵には、
その内の6,771巻が納められています。
版木の48,275枚は国の重要文化財に指定されていますが、
現在制度の改変でその保存が難しくなっています。

今回の個展の売上は、
通常はギャラリーに支払う手数料分と私の志分を、
「鉄眼プロジェクト」に寄付させて戴きます。
ご理解を戴ければ幸いです。



無上甚深微妙法 無上にして甚深なる微妙の法は
百千万劫難遭遇 百千万劫も遭遇すること難し
我今見聞得受持 我今見聞し受持することを得たり
願解如来真実義 願わくば如来真実の義を解せん

お経を読む前に唱える偈です。
仏教は日本ではとても誤解されている宗教です。
「信じる者は救われる」のではなく、
ただ自分を知るためだけの知恵と方法です。
しかし江戸時代以降は冠婚葬祭と戸籍係の役を担い、
現代に至っても葬祭業という認識を拭えていません。

海外の人達と話していて驚くのは、
仏教、特に禅は宗教ではなく哲学だという認識です。
そして禅から生まれたマインドフルネスは、
今や海外のビジネス・エリートの必修科目と聞きます。
スティーブ・ジョブズやグーグルが率先して取り入れたのは有名です。
皮肉な事に日本では宗教はウサン臭いと敬遠している間に、
海外では仏教の自己を見つめ心を整える方法を積極的に評価し、
生活や仕事に役立てています。

ブッダは神ではなく同じ人間です。
6年の苦行の後にその無意味さを知り、
苦行に頼らない自己発見の方法を伝えて歩きました。
そして大勢の弟子が出来てからも、
自分の食べ物は自分で托鉢したと伝えられています。

臨終に際しては悲しむ大勢の弟子達に対し、
「答えは全て自分の中にある。
方法は伝えたのだから安心して励みなさい」
と言い残したと経典にあります。
決して「私を崇拝しなさい」などとは言っていません。
宗教家としては異例の、
とても謙虚な人格者だったのだと思います。
問題は後世の人達の誤解と歪曲です。

仏道をならふといふは、自己をならふなり。
自己をならふといふは、自己をわするゝなり。
自己をわするゝといふは、万法に証せらるゝなり。
万法に証せらるゝといふは、自己の身心、
および他己の身心をして脱落せしむるなり。
悟迹の休歇なるあり。
休歇なる悟迹を長々出ならしむ。
(道元禅師)

私も若い頃からたくさんの経典を読み坐禅を続けてきました。
それが今の私と絵を作りました。
(詳しくは THE JAPAN TIMES の記事をご参照下さい)
ですので今回の個展を通じて、
かつて鉄眼禅師がなされた事を知って戴きたいと共に、
仏教の本当の意味を知って戴き、
日々の生活にお役立て戴ければと思います。
有名な「日日是好日」は禅から出た言葉です。



今回は絵の展示だけではなく、
様々な企画もご用意させて戴きましたので、
お気軽にお越し戴き楽しんで戴ければ幸いです。
会場でお会いしお話し出来ます事を心から楽しみに致しております。



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by farnorthernforest | 2023-06-12 09:47 | お知らせ・今後の予定

制作や旅や登山についてなど。


by 山下康一