お陰様でアメリカより無事帰国しました。たくさんのご声援を誠に有難うございました。
今回の展示は海外では5回目になります。(ドイツ2回、アメリカ3回)今回も過去4回と同じく、私の中での答え合わせになりました。それは日本で長年受け続けて来た批判についてです。
私は長年、そして今でも、銀座で、そして北海道以外の地方の個展で、「こんな絵は見た事がない、描き方が間違っている、邪道・外道」と批判されて来ました。しかし海外でも最初の反応は全く同じで、「今までに見た事のない絵」という感想なのですが、次に来る言葉は全く違います。
日本ではその後に大抵はこう言われます。「お前は勉強不足だ。周りの人達がどう描いているかをもっと良く勉強して、皆と同じ様に描きなさい」。つまり日本の芸術は周りと違ってはいけないのです。一方海外では「新しいアートを創造した」と言われます。人と同じものは「創造」とは言わないのです。
なぜ日本と日本以外の国々では、絵の見方や評価が正反対なのか、これまで5回の海外展示と現地での交流を通して、その理由が良く解りました。私としてはそれが解れば満足です。どちらが良い悪いではありません。野球とサッカーが違う様なものです。
有難い事に今回の個展でも、世界で活躍する一流と呼ばれる方々にお会いし、その人生に触れ意見を交換し、そして互いに共感し合う事が出来ました。これはなかなか出来る経験ではありません。本当に幸せな時間でした。
誰が上だとか下だとか、主流だとか異端だとか、正しい絵だとか間違っているとか、そういう観点で絵を判断する世界と、私は交わるつもりはありません。常に自分と向き合い独創的な仕事をされている、そんな人達とつながっていたいと思います。
この先の予定はまだ打診の段階で、確定はしておりませんが、私はいつも目の前の事に精一杯で、これからも目の前の事に全力を尽くすだけです。次にすべき事は明確に見えています。